つわりにまつわる、エッセイ書きました。
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あの日は、毎朝飲んでいる珈琲が異様にまずく感じた。
深煎りでコクがある拘りの珈琲が、なぜか泥水のような味だった。
いや、まさかねぇ?
寝ぼけ眼で、念のためと買ってあった妊娠検査薬を取り出す。説明書を読みながら、恐る恐る使ってみる。尿を検査薬にかけて、すぐに結果が出た。はっきりと赤紫色のラインが出ていた。妊娠していた。妊娠4週目ぐらい。普通の人よりもだいぶ早い覚知だった。
「病は気から」という言葉に近いものなのかもしれないが、自分が妊娠したと分かると、その途端に、体も心も急に変化を始める。入籍して1年。そろそろ子どもが欲しいと思っていた時期だったから、妊娠自体はとても嬉しかったし、幸運なことなのだけれど、なんというか急に「妊婦」という生活に突入したので、戸惑いがあったことも否めなかった。
ここに、いち妊婦の妊娠初期の変化やらを留めておきたい。
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・note「つわりのこと。」
五月女菜穂